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中国の死刑執行 3ヶ月で1,781人

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2001年7月6日
AFP 香港

7月6日、アムネスティ・インターナショナルが発表したところによると、中国は過去3ヶ月に1,781人を死刑にし、中国を除いた国々で過去3年間に執行された死刑の合計件数を上回った。

世界人権監視機関によると、犯罪に対する『厳打』キャンペーンが始まった時、死刑にされた1,781人とは別に、4月以降、2,960人に死刑の判決が下された。過去3ヵ月に中国で執行された死刑件数は、過去3年間に中国を除く国々で執行された死刑の合計件数より多かったという。

これらの件数は、アムネスティが発表した報告に基づいているが、死刑判決を受けたり死刑執行されたりした実際の件数は、中国当局によって発表された件数より、はるかに多いと世界人権監視機関は付け足した。 「この問題の当事者である中国当局によって、恣意的に公開された情報で、死刑宣告と死刑執行のわずかな断片が公に報告されたにすぎない」 「中国がまとめた死刑執行の統計は、政府機密として残っている」

さらに、中国政府に対して、世界的な動きに従って悪循環になる死刑をやめ、この冷淡で逆効果の政策を、より効果的で人間らしい刑罰に転換するよう求めた。この『厳打』キャンペーンやその他の措置が、中国で増加中の犯罪問題に、永続的に強い影響を与えるとは考えられないと付け加えた。 「『厳打』キャンペーンは、人命をとどまることなく無駄にするような死刑執行の乱用にほかならない」

死刑は、暴力犯罪だけでなく、贈賄、売春の斡旋、横領、脱税、ガソリン強盗、有害食品の販売等の多様な犯罪に関わり、中国国内で執行されている。「人命は宝、麻薬反対」というスローガンのもと、数百人が麻薬違反で死刑執行されてきたが、これほど大量に人々が死刑宣告を受けることは、長年見られなかった。中国のほとんどの死刑は、人々が呼び集められた後、スタジアムや公共広場で大勢の群衆の前で執行される。その囚人の一団は、すぐ近くの広場や中庭で罵声を浴びせられ、執行場所の道沿いの数千人とすれ違いながら通りを抜け、見世物にされる。

アムネスティが伝えたところによると、4月と5月の山西省での死刑執行の集会には、180人の見物人がいて、雲南省での集会は、政府番組で生放送されたということだ。

逮捕された数万の容疑者、および告訴や裁判がないまま「労働による再教育」へ従事させられた数千の人々は、これらの集会で見世物になった。『厳打』キャンペーンは、最初、暴力犯罪を対象にしていたが、国家や地方当局は、さらに範囲を広げ、政治活動を対象にしている。

例えば、新彊ウイグル自治区当局は、分離主義と不法な宗教活動を排除し、分離主義者の勢力を決定的に攻撃することを目標にしている。多くのウイグル人政治犯が、分離主義や暴力犯罪の罪で告訴され、死刑執行された。チベットで標的になっているのは、国境で不法に道案内する人々である。広東や他の州では、税金、金銭詐欺、通貨偽造、株式市場への乱入等を含む経済的犯罪を犯した人物は、死刑執行された。

アムネスティは、「中国当局は、WTOへの加入やグローバル化に挑戦する前に重大な経済犯罪に取り組むために、これらの死刑執行を行ったと中国が発表した」と伝えた。中国当局は、警察と検察官に、早く事件を解決し、些細な事件に巻き込まれないよう強く促したという。伝えられるところによると、山東省では、4月10日から5月25日まで1日平均65件の公判が行なわれた。
「死刑判決を受けた中身については鉄の覆いで硬く外部に漏らすべきではないという当局の言い分は、全く中身のないレトリックだ」とアムネスティは言う。